5月12日がME/CFS世界啓発デーになった経緯

5月12日が筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、線維筋痛症、化学物質過敏症、湾岸戦争症候群などの慢性免疫神経系疾患(CIND)の世界啓発デーになったのは1992年のことです。

 

現在では、慢性ライム病、カビ/生体毒素、敗血症後症候群も含みます。

 

最初に声を上げたのは、アメリカのRECIND,Incという団体のThomas Hennessy Jrさんです。

 

彼は、ME患者でもあり、啓発家でもありました。2013年9月9日に59歳で亡くなっています。

 

その後、May12.orgが患者たちの人権のために戦った彼の意志を引き継いで、5月12日世界啓発デーに政府や社会にこの病気を啓発するように世界じゅうに呼びかけています。

 

 

 

5月12日が選ばれたのは、イギリス軍看護師であり、国際赤十字の設立に一役かったフローレンス・ナイチンゲールの誕生日だったからです。

 

ナイチンゲールは30代半ば頃、クリミア戦争で戦地に赴いた際、クリミア熱を発病。その後、熱は下がったものの、麻痺を伴う筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群のような病態に陥り、その後50年間ほぼ寝たきりの重篤な状態であったにも関わらず、世界で最初の看護学校を創立しました。(調べたところ、彼女は90歳まで長生きしています。)

 

トム・ヘネシー氏のインタビュー

 

 

 2008年、フェニックスライジング社のコートジョンソン氏が、トム・ヘネシー氏に5月12日の啓発デーとRECINDの設立における彼の役割についてインタビューしました。

 

コート氏が書いたように、トムは、元広告会社幹部であり、非常に考えのはっきりした主唱者だったそうです。

 

彼は、ネット上の啓発団体として、RECINDを立ち上げました。

 

 残念ながら、トムは、長年ME/CFS重症患者として病に伏していましたが、それに追い討ちをかけるように2009年にフロリダで交通事故にあい、致命的な傷害を受け、今でも、施設で療養をしているということです。(*2013年に亡くなっています。)

 

 以下は、インタビューからの抜粋です。

 

 私は、春か秋の日をこの「啓発・請願」の日に選びたかったのです。

 

 私たち患者の多くは、非常に具合が悪く、何日も家を出られないということがあります。

 

ですから、夏や冬にDCまで旅するというのは不可能だと考えました。

 

 また、この日を世界的に広めたいと考えていました。

 

 今では、5月12日は、アメリカより海外のほうが大きく取り上げられるようになりました。

 

 バイロン・ハイドの「ナイチンゲールファンデーションの設立者」という本の中で、筋痛性脳脊髄炎の歴史を読んだとき、彼の憧れのフローレンス・ナイチンゲールの誕生日である5月12日を啓発デーにしようと決めたのです。

 

 彼女は、35歳でMEのような病気にかかり、その後50年間寝たきりの状態でした。

 

 それで、彼女の誕生日の5月12日がいいと思ったのです。」

 

 

 

啓発リボンについて

リボンは、多くのサポートや啓発グループによって用いられています。

 

 青いリボンがME/CFSのシンボル、紫が線維筋痛症、緑が、化学物質過敏症です。

 

これらのリボンは、この活動だけのシンボルではなく、今までも別のさまざまな活動のために使われてきました。

 

ME団体が青いリボンを使うようになったのは、1995年のことで、BRAMEという団体がその最初です。

 

すでに書いたように、1995年の世界医療学会において、彼らが5月12日を世界啓発デーとしてハイライトした結果、世界的にこの日が起用されるきっかけとなったのです。

 

2003年オンタリオ議会では、議員たちが青いリボンをつけて議会に出席しました。

 

(http://www.blueribboncampaignforme.org ).

 

 

 

最近でも、このブルーリボンを使用したネット上のキャンペーンが行われています。

 

 線維筋痛症の啓発には紫のリボンが使用されていますが、この紫のリボンは、長年、女性の問題や健康問題の啓発のために使われてきました。

 

カナダでは、80%以上のFM患者は、女性です。

 

これは、慢性疾患の上で最も高い数字です。

 

 緑のリボンは、化学物質過敏症や環境過敏のために用いられています。

 

 この色は、そのほか、環境保護やライム病の啓発のために用いられているシンボルでもあります。

 

 2010年の2月にハワイで始まった化学物質過敏症のキャンペーンでは、カナリアレポートというウェブサイトの中で、カナリアをイメージして黄色が使われています。

 

もっと詳しく知りたい方のために

以下は、www.may12th.orgが2010年に書いた「May12thの歴史」という箇所の一部を管理団体のRESCIND. INC. orgの許可を得て、2012年に翻訳し、ブログにアップしたものです。

 

MAY 12th International Awareness Day

5月12日世界啓発デー

 

「もし、近い将来に筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群やそれに関連した病気の原因と治療法が見つかれば政府や医学界も、その対象範囲や影響の実態に目を覚ますでしょう。

 

多くの献身的な患者会や個人の努力にも関わらず、これらの病気に対する無知と誤解が未だに存在しています。今日でも、多くの患者が、人間の健康を著しく脅かすこれらの深刻な病気のことを未だによく知らない医療機関に出くわしています。このため、これらの病気に侵されている者たちが、毎年5月12日に、一丸となって声を上げて主張することが必要なのです。」

 

[RESCIND. INC. org]

 

今年、2010年は、International May 12th Awareness Dayを発足してから18年目となります。

この案は、RESCIND, Inc.(「慢性免疫系神経系疾患に対するステレオタイプを廃止する」という英語の頭文字からなる)の創設者であるトム・ヘネシー氏によって提案されました。

 

ヘネシー氏は、アメリカに住んでいましたが、このことが国際的なイベントとして広まるべきだと考えました。彼は、一連の関連した病気を慢性免疫神経系疾患(CIND)と呼び、5月12日をInternational Awareness Day(世界啓発デー)としたのです。

 

5月12日は、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで選ばれました。

彼女は、イギリス軍の看護師で、国際赤十字の設立に多大な影響を与えた人物です。

ナイチンゲールは、30代半ばに筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群のような病に侵されました。

 

その後、残りの50年の間、しばしば寝たきりの状態で過ごしました。このような日常生活を脅かす病気にかかりながらも、彼女は、世界で最初の看護師学校を設立したのです。

 

ヘネシー氏は、CIND(慢性免疫系神経系疾患)の傘下に、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(慢性疲労免疫不全症候群とも呼ばれる)、線維筋痛症、化学物質過敏症を含めました。

 

これらの病気は、認知の問題、慢性的な筋肉痛や関節痛、極度のスタミナの欠如、その他多くの症状を伴うことを特徴としており、警告が必要なほどの数で世界中の人々を襲っています。

 

 

 

「5月12日」運動は、草の根となり、その活動の多くは、個人や個人の作った団体によって行われています。これらの団体の活動は、ほとんどの場合、ひとつの病気の啓発運動に集中されていました。

 

1993年の初めごろから、さまざまなME/CFS団体がRECINDの考えに賛同してくださるようになりました。初期の頃は、イギリスのBRAME(筋痛性脳脊髄炎ブルーリボンアウェアネス)というグループが支援してくれるようになりました。

 

 彼らは、1995年のME/CFSの世界医療学会において、5月12日をInternational Awareness Dayとして取り上げました。

 

このことが、5月12日がME/CFSの日として国際的に起用されるきっかけとなりました。

 

 

 

線維筋痛症の団体においては、少し時間がかかり、化学物質過敏症の団体においては、まだまだその知名度は限られています。(*2010年の時点で)

 

 アメリカにおいての線維筋痛症に対する活動は、ナショナル線維筋痛症の会(FNA)によって始まりました。

 

化学物質過敏症や環境過敏症の団体は、今日でもまだほとんどの場合5月12日を起用していませんが、アメリカの少数の団体で、5月12日を起用しているところもあります。

 

 

 

 カナダでは、1993年6月に新しく設立されたナショナルME/FMアクションネットワークという団体が、1994年から5月12日を啓発デーとして起用しています。

 

1995年の初年度は、ME/CFSに限定されていましたが、その後、FMの日にもされました。

 

1996年5月12日には、議会で、この日がME/CFSFMNational Awareness Dayであることが宣言されました。

 

2006年には、上院議員が5月12日をME/CFSFMNational Awareness Dayにすることを宣言しました。

 

このことは、上院議員のウィルバート・ケオン博士と1996年2月に設立されたFM-CFSカナダの働きによるものです。

 

ある団体では、5月12日をInternational ME/CFS Awareness Dayとし、他の団体では、5月9日から15日をME/CFSの週として用いています。

 

9カ国のヨーロッパ諸国で新しく結成されたヨーロピアンME連盟では、5月全体をME/CFSの月として起用しています。

 

 

 

 

カナダでは、カナダの健康促進日のヘルスカナダのカレンダーにも、5月12日が「FMCFS National Awareness Day」として掲載されています。

 

活動は、オーストラリアやニュージーランドにも及んでいます。

 

カナダの活動は、National ME/FM Action NetworkFM-CFS Canadaや地方団体、地域のサポートグループによって行われています。

 

以下のことがオンタリオの議会で起こりました。

 

1、1994年には、「5月12日」が、1991年に設立されたオンタリオ筋痛性脳脊髄炎の会(MEAO)の働きにより、第二回世界啓発デーとして認知されました。 

 

2、2003年には、再びMEAOの働きによって、別の議員がこのことを取り上げ、議員たちは、ME/CFSの啓発シンボルであるブルーリボンをつけていました。

 

  3、2005年には、FM-CFS カナダの働きによって、5月12日が繊維筋痛症と慢性疲労症候群のナショナル啓発デーとして認知され、FM-CFSカナダによって行われたキャンペーンが、第一回ナショナルキャンペーンとして認識されました。

 

  4、2008年には、ヨーク地区の線維筋痛症&CFSサポートグループの働きで、線維筋痛症やME/CFSを認知する議員の声明が作成されました。

 

  5、2009年には、FM-CFSカナダによって再び線維筋痛症とME/CFSのことが取り上げられました。

 

 カナダの多くの町で、5月12日がME/CFSと繊維筋痛症の啓発デーとして宣言され、多くの個別のサポートグループが5月12日啓発運動をするようになりました。

 

この日の目的と必要性は、国民の皆さんにこれらの病気や慢性の痛みを伴う疾患について知っていただくということと同時に、患者や患者会が社会や医療関係者、政治家や議会に対してこの病気に関する教育を行っていくのを支援するということにあります。